『EVE イヴ 歴史の傍観者』

X-QUEST
作・演出:トクナガヒデカツ
出演:荻窪えき、清水宗史、市川雅之、大西小西、塩崎こうせい、高田淳、横内亜弓、片桐はづき、宮脇愛、更紗
於:アイピット目白
観劇日時:2006/06/17 14:00


前回の『真夏の夜の夢』に客演された市川さんの所属劇団の公演。

一言で言えば、セカイ系のSFアクション作品。

作・演出が自分で当日パンフに書いてある通り、ストーリー的には穴だらけ。

アクションは見ごたえがあった。若干長いけど。

『JUKE BOX』

AchiTION!#8
作・演出:アチョ砂鉄
出演:森きゅーり、齋藤了介、木村友美、田中英徳、谷合りえ子、前田良湖、沼袋高、逢澤純世、栗山和也、青池光芳、畠山史、沢本美絵(ジャスティス)、河野好美((鬼)be-spirits)、山田茂輝((鬼)be-spirits)、金子あずみ(Swanky Rider)、大熊真由子(DMH(Dear My Friend))
於:池袋 シアターグリーン 小劇場
観劇日時:2006/06/15 19:00
 



 
「ふぅるいぃあぁるばむぅめぇくりぃ〜♪」
「松葉崩しって何?」
「俺が何度探したと思う?三回だよ」
「女王様お願いします、だろ!?」
「すいやせんねぇ、先生さん」
「ストップボタンを押したなら押したって言ってもらわないと、止まるもンも止まらないよ」
「このホテルには幽霊が出るぞー!!」
「ま、そんなもんだ」
「え?町子ちゃんのうちって…ラブホテル!?」
「なんで?計算だと公園のはずなのに!」
キットカットちょーだい♪」
「はい、回転入りましたー」
「お父さんのマキシプリーストにもう一頑張りしてもらわないと」
「…いい。お前すごく可愛い!お前に決めた!」
「王子。儀式ですから」
「あたしは行けないよ。出会っちまったんだ…運命の猫に」
 
 

初Hをしにきた二人、ラブホテル経営者の娘の家庭訪問に訪れた教師、初めてラブホテルにやってきた熟年夫婦、仕事にきたデリヘル嬢、隣の刑務所から脱獄してきた2人組、花嫁を見つけに来た異国の王子とそのお付き、プラス猫2匹…様々な人々のそれぞれの事情が交錯するとき、ラブホテルは熱く燃え上がる。
 



 
6つのエピソードが絡み合うオムニバス形式のコメディー作品。
いや、面白かった。
 
まずは何といっても構成の妙。
それぞれのエピソードのつなぎ目を、細かく時系列を前後させてうまく交差させることで、見ている側に混乱を起こさせることなく伝えていた点。
(実際は多分違うんだろうけど)全く同じ間取りの部屋が複数あっても違和感が無い、ラブホテルという舞台設定も上手かった。これによって、人物が入れ替わるだけで別の部屋である事を示すことが出来、スムーズなストーリー展開を実現していた。
 
登場人物もそれぞれキャラがきちんと立っていて、16人という多人数ながら埋もれてしまう人がいなかった。
これも複数のエピソードに分かれた構成の効果かも知れない。
 
個人的には、最初は抑制するポジションかと思いきや結構ぶっとんでたナターシャ、“完璧超人ネプチューンマン”こと脱獄囚南野、そしてスマートな外見と低音ボイスとのギャップが魅力的だったシャムーが印象的。
あ、あとデリヘル嬢麗子のギャグの勢いには感心した。中途半端にやってしまうと寒いことこの上ない種類のギャグだったのだが、あれだけやりきってしまえば笑えるのだ。突き抜けるとはああいう事なんだと実感。
 
ストーリーの設定としてはかなり強引な(というかナンセンスな)設定が盛り沢山だったが、それもこれも引っくるめてこの作品の世界だと飲み込んでしまえれば問題ないかと。
まぁ、この辺は好みの問題なのかもしれないが。個人的には、飲み込めて、楽しめた。

『食卓の風景』

HOTSKY presents 熱空 公演
与謝野晶子作『第三者』より
構成・演出:釘本光
出演:矢口恵子、森下誠吾、佐藤嘉太、釘本光、まのり(映劇プロデュースAUDREY)、東條織江(㈱舞夢プロ)
於:阿佐ヶ谷 アートスペースプロット
観劇日時:2006/06/11 13:00
 



 
自分の妻以外に愛する人がいる、他の人に恋心を抱く。
倫理上は良くないとされる事だ。
でも、そうやって戒められている事自体、そういう事態に陥りがちである事を示している。
 
実際、それぞれの人に対して抱く好意はその人に向けての唯一つのもので、“あっちの人よりこっちの人に上等な好意を捧げる”というようにはいかない。
「あの人とわたしと、どっちの方がより好きなの?」という問いは、厳密には成り立たない気がする。
好きになってしまったものはどうしようもないのだ。
比べられるものじゃ、ない。
 
何というか、静かな芝居だった。
映画に例えるなら小津作品。
張りつめているわけではないが、圧迫感のある静寂が劇場に満ちている感じ。
劇場自体があまり大きくない上、客席の一部を削って舞台を張り出してあるため、ほんとに目と鼻の先で役者が演技をしていた。
なので、客の方も下手に身動きしちゃいけないような雰囲気があり、ちょっと息苦しかったかも。
 
知り合いの役者さんが客演していたのだが、所属する劇団とはかなり色が違う役どころで、新鮮だった。
やっぱり新たな一面を発揮する手っ取り早い方法の一つは、客演することのようだ。

『メタルマクベス』

新感線☆RS
青山劇場にて。
 



 
メタルで歌い上げるロック・ミュージカル調のマクベス
 
終末戦争後の近未来が舞台とはいえ、ストーリー自体は原作にほぼ忠実。
ただ、あちこちにメタルを入れる必然性を生み出すためか、20世紀のバンド『メタルマクベス』を登場させ、主人公とそのバンドのボーカルの辿る運命がリンクするという設定が付加されていた。
 
うん、面白かった。それは確かなんだけど。
ぶっちゃけた話、ずっとメタルを聞かされると飽きる…。
 
演出として、端々に笑いが散りばめられており、適度な息抜きになっていた。
が、結構シリアスな場面でもギャグを挟み込んでくるのはちょっとなぁ。
そのせいかどうか知らないけど、クライマックスのマクダフの科白、「俺は帝王切開(で産まれたの)だ!」のシーンで笑いが起きたのには、正直あ〜あって感じだった。
 
マクベスの破滅を言い当てるもう一つの予言、「バーナムの森が動く時」は「天の剣が空を裂き、陸の鯨が目を覚ます時」に変わっていた。
“天の剣”は「雷」。これはいい。
でも何で“陸の鯨”が「先の大戦の為に用意され、そのまま封印された核兵器」になるんだろう?予言の響きにちょっと期待していただけに、ちょいと消化不良。
 
松たか子はすごい。
というか、うっかりキャストを忘れてて、途中で気づいてびっくり。
森山未來のタップダンス。
王子の戦闘用ヅラは、ちょっとジョルノ・ジョバァーナっぽいと思ったのは自分だけでしょうか?

戦闘力5か…ゴミめ。

ギニュー特選隊の入隊試験

http://u-maker.com/135055.html

ShiNさんは、測定の結果測定不可能 と、なりました。

● 測定不可能

ピピピッ ボンッ!
ぐわっ、あまりに貴様の戦闘力が強大なためスカウターが測定しきれず爆発してしまった…。貴様、一体なにものだ!?その強さ…まさに'宇宙最強'だ!

レベル : 魔神ブウ

喜んでいいのか、これ?

『2030・mother』

エルズ・ミュージカル
作・演出:湯田和人
出演:大越陽、野分ひさえ、谷口友佳子、高瀬つばさ、行村呈志、おびかね歌子、風谷ジュン、蒼木才造、三宅まつり、こずえかおるこ、松岡佐知子、椎名亜音(劇団6番シード)、かざり玲南
於:三鷹 武蔵野芸能劇場
観劇日時:2006/05/05 19:00



西暦2030年、クローン人間が合法化された世界。
「mother〜母なるもの」をテーマにした企画のオーディションの様子をミュージカル仕立てにした作品、ということらしい。
まぁ、かの『コーラスライン』と同系の構成と言えるだろうか。
 
で、見終わった時の感想もほぼ同じ。
つまり、「悪くはないけど、物足りない…」
最初から最後までオーディションで話が終わるので、それぞれの登場人物の背景や人となりなどは、断片的にしか見えてこない。
その一期一会感が醍醐味と言われればそうなのかもしれない。
 
が、今回はクローンという、本来母なる存在を持たないものが母を語るという部分に物語のポイントがあったはずで。
その存在の特異性なり、クローンというモノに対する周囲の反応なりといった世界観がイマイチ伝わってこないために、物語そのものの色も薄くなってしまったような印象がある。
2030年という近未来が舞台の割には、それを演出する舞台装置(セット・衣装・小道具)も特に見当たらなかったし。
その辺りが観客に伝わる仕掛けがしてあれば、もっと面白い舞台になったと思う。
 
ミュージカル自体見るのが久しぶりで、若干戸惑うところもあった。
でも、歌とダンスと芝居と、ほんとに総合芸術なんだと思う。
だからこそ、それぞれがかみ合ったときの相乗効果は素晴らしいものがあるのだろう。
その分、ハードルは高いけどね。