『JUKE BOX』

AchiTION!#8
作・演出:アチョ砂鉄
出演:森きゅーり、齋藤了介、木村友美、田中英徳、谷合りえ子、前田良湖、沼袋高、逢澤純世、栗山和也、青池光芳、畠山史、沢本美絵(ジャスティス)、河野好美((鬼)be-spirits)、山田茂輝((鬼)be-spirits)、金子あずみ(Swanky Rider)、大熊真由子(DMH(Dear My Friend))
於:池袋 シアターグリーン 小劇場
観劇日時:2006/06/15 19:00
 



 
「ふぅるいぃあぁるばむぅめぇくりぃ〜♪」
「松葉崩しって何?」
「俺が何度探したと思う?三回だよ」
「女王様お願いします、だろ!?」
「すいやせんねぇ、先生さん」
「ストップボタンを押したなら押したって言ってもらわないと、止まるもンも止まらないよ」
「このホテルには幽霊が出るぞー!!」
「ま、そんなもんだ」
「え?町子ちゃんのうちって…ラブホテル!?」
「なんで?計算だと公園のはずなのに!」
キットカットちょーだい♪」
「はい、回転入りましたー」
「お父さんのマキシプリーストにもう一頑張りしてもらわないと」
「…いい。お前すごく可愛い!お前に決めた!」
「王子。儀式ですから」
「あたしは行けないよ。出会っちまったんだ…運命の猫に」
 
 

初Hをしにきた二人、ラブホテル経営者の娘の家庭訪問に訪れた教師、初めてラブホテルにやってきた熟年夫婦、仕事にきたデリヘル嬢、隣の刑務所から脱獄してきた2人組、花嫁を見つけに来た異国の王子とそのお付き、プラス猫2匹…様々な人々のそれぞれの事情が交錯するとき、ラブホテルは熱く燃え上がる。
 



 
6つのエピソードが絡み合うオムニバス形式のコメディー作品。
いや、面白かった。
 
まずは何といっても構成の妙。
それぞれのエピソードのつなぎ目を、細かく時系列を前後させてうまく交差させることで、見ている側に混乱を起こさせることなく伝えていた点。
(実際は多分違うんだろうけど)全く同じ間取りの部屋が複数あっても違和感が無い、ラブホテルという舞台設定も上手かった。これによって、人物が入れ替わるだけで別の部屋である事を示すことが出来、スムーズなストーリー展開を実現していた。
 
登場人物もそれぞれキャラがきちんと立っていて、16人という多人数ながら埋もれてしまう人がいなかった。
これも複数のエピソードに分かれた構成の効果かも知れない。
 
個人的には、最初は抑制するポジションかと思いきや結構ぶっとんでたナターシャ、“完璧超人ネプチューンマン”こと脱獄囚南野、そしてスマートな外見と低音ボイスとのギャップが魅力的だったシャムーが印象的。
あ、あとデリヘル嬢麗子のギャグの勢いには感心した。中途半端にやってしまうと寒いことこの上ない種類のギャグだったのだが、あれだけやりきってしまえば笑えるのだ。突き抜けるとはああいう事なんだと実感。
 
ストーリーの設定としてはかなり強引な(というかナンセンスな)設定が盛り沢山だったが、それもこれも引っくるめてこの作品の世界だと飲み込んでしまえれば問題ないかと。
まぁ、この辺は好みの問題なのかもしれないが。個人的には、飲み込めて、楽しめた。