『それが棺だと知らなかった頃』

グラサンパンツ
作・演出:石川あさみ
出演:リン・ホブデイ、早川孝史、渡辺圭子、平野明徳(NO RABEL!)、両角葉、吉田ミサイル
ゲスト:福原まり
於:中野 劇場MOMO
観劇日時:2006/04/20 19:00



タイムマシン計画。
対象者の時間をずらすことによって仮死状態にし、100年後の未来へと送り込み、その時代の技術で創り出したタイムマシンでの帰還を目指す計画である。
計画が開始されてから10年。
いまだに彼は帰還していなかった。

先日のキャラメルボックスに続き、これまたタイムマシンの話。なんだろうね、
こういうのを共時性っていうんだろうか。
 
ストーリー自体は、タイトルが全てを表しているといっても過言ではない。
未来へ行くはずのタイムマシンが実はタイムマシンでもなんでもなく、中に入っている人も既に亡くなっていて、その事実を知らない恋人が彼の帰還を待ちわびている様子をやきもきしながら見ている男の話。
あるとき雑誌の取材が入って、タイムマシンの秘密がバレてしまい、その事実を隠蔽しようとして嘘をつき続け、でも隠し切れなくて破綻していくという、ものすごくストレートに堕ちていく話。
最初のプロローグの段階で予感したオチそのまんまだったので、逆にびっくりした。
嫌いではないですけどね、こういう話も。
 
MOMOって初めて入ったのだが、案外と狭い。
客席もせいぜい50席くらい。
だからそんなに叫ばなくても…と思う人と、いくらなんでもそれじゃ聞こえませんよ?という人と、役者の演技の距離にずれがありすぎて、いったいどのレベルに合わせて観ればよいのか分からず。
 
何よりも運が悪かったのは、隣に座った客が四六時中大声で笑ってたこと。
ある出演者のファンなんだかどうだか分からないが、その人がやる事なす事が何もかも面白くてたまらないらしく、ずっと笑いっぱなし。
いや、いいんだけどね、楽しみ方は人それぞれだし。
でも、科白が聞こえないくらいの音量で隣で笑い続けられたら、こちらは舞台観るどころの話じゃないんだが。
おかげで肝心の芝居には全然身が入らなかった。せめてその人がいなければもう少し違った印象になったかも。