一極集中の功罪。

「おサイフケータイ」家の鍵に…「MoCoCa」

ZAKZAK

 NTT傘下で不動産関連事業などを手掛けるNTTビジネスアソシエ(東京)は、電子マネー機能を搭載したNTTドコモの携帯電話「おサイフケータイ」で住宅の鍵を掛けられるシステム「MoCoCa」(モコカ)を開発したと発表した。火災やガス漏れが発生していないかどうか、外出先から携帯で屋内の状況を確認することも可能。自社開発の賃貸マンションに設置するほか、一般の集合住宅への販売も検討する。
 新システムは、コンピューターを内蔵した新型ドアの横に読み取り装置を設置。携帯電話をかざせば鍵が開く。ドアを閉めれば自動的に鍵が掛かるほか、開錠したことを最大20カ所にメールで通知できる。

 ついに携帯電話が鍵になる。
 単に通話するだけの電話から、メール、カメラ、Webブラウズ、オーディオ、ラジオ、テレビ、GPS、電子マネー、クレジットと次々に増えてきた携帯の機能。
 いったいどこまでいくのやら、というのが正直な感想。
 まぁ、いろいろ便利な機能が増えるのは良いことなんだろうとは思う。
 
 しかし、セキュリティ面を考えたとき、携帯に鍵の機能までつけてしまうのはちょっと怖い気もする。
 携帯を置き忘れる・なくす人というのは確かに存在するのだから。
 もちろん、今までだって鍵を落としたりなくしたりする人はいるわけで、その部分のリスクは同じといえば同じ。
 
 ただ、リスクは分散した方がいいんじゃないかとも思うわけだ。
 携帯一つ落とすのと、携帯も鍵も財布も全部落とすのと、どっちが可能性が高いか、考えるまでもないだろう。
 それに、携帯は壊れて使えなくなることがあるが、鍵が壊れるだの財布が壊れるだのという話はあんまり聞かない。
 
 また、一人暮らしの人などは携帯以外に連絡する手段がないことも十分考えられる。
 そして、たぶん携帯のメモリー以外に(例えば手帳などに)連絡先を控えていないことも。
 つまり、この携帯を紛失した場合、
 
  ・携帯がない→連絡がつかない
  ・鍵も同時に紛失→家にも入れない(加えて携帯を拾った第三者が我が家に侵入するかも知れない)
  ・電子マネーやクレジット機能もついている→不正使用の可能性に怯えなければならない
 
にもかかわらず、
 
  ・携帯のメモリーが使えない→緊急連絡先も分からない
 
ということにもなりかねない。
 
 考えすぎ?
 でも、こういうものは最悪の場合を想定し、対応策を考えておくに限る。
 万が一そうなってからでは遅いのだから。
 
 映画『マーヴェリック』だったか、確かこういう科白があった。
 「全部の卵を一つのかごに入れるな」
 ひっくり返ったら全部ダメになる。