「屍鬼(5)」読了。

そして遂に破滅が訪れる。
 
“狩人”敏夫の反撃が始まる。
一旦異物の存在を認めた村は、その団結力をいかんなく発揮して屍鬼を排除していく。
まさに大逆転、ということで爽快感を感じてもいい展開なのですが。
むしろ感じたのは切なさだったりします。
屍鬼は人の血液を摂取しないと生きていけない、だから共存は不可能。
…本当に不可能だったのでしょうか?
 
敏夫の“研究結果”に、屍鬼の血液は時間が経つと鮮紅色から暗褐色へと変化するが、血清を加えるとまた鮮やかな赤に戻る、という描写がありました。
であれば、人間の血管から直接摂取しなくても、血液だけ摂取すれば済む話だったのではないでしょうか。
…あぁ、でもあれだけ数が増えてりゃバランスが取れないですね。
それに沙子の願いを叶えるには、それじゃダメなのか…。
彼岸島」の過去の蜜月のような状況だったら良かったのに。
 
献辞にあったキングの「呪われた町」も機会があったら読んでみたいと思います。