『Side Effect …副作用』

シアター ナノ.グラム
作・演出:鈴木実
出演:森田千恵子、真宮立佳、田中重実、渡邊聖美、中澤数美、福原龍彦、渡辺幸司、金子剛、愛原こず江、八木康仁、山口幸祐、徳永貴子
於:池袋 シアターグリーン エリア171
観劇日時:2006/04/22 15:00



前説によれば、上演予定時間は90分。
劇場を出た後時計を確認したら、ほんとにまだ1時間半しか経っていなくてちょっと驚いた。
 
劇団のサイトを見ると、今まではワンシチュエーション・コメディを主にやっていた劇団らしい。
もしかしたら、コメディなら面白い作品を創れる劇団なのかもしれない。
でも、今回は悲劇。
でも、この劇団独自の色を入れたかった、のだろうか。あちこちにコメディ要素が含まれていた。
もちろん、コメディを取り入れつつ全体としては悲劇、という物語はあるし、そういう構成が効果的に働くこともある。
が、それもどういう笑いの要素をどのシーンに取り入れるか、どのシーンから笑いを排除するか、そのバランスがうまくいってこそ。
残念ながら今回の芝居は、その点に関しては成功しているとは……。
もしかしたら、客席の空気が作り手の意図しない方向に流れていたのかも知れないけれども。
 
強く感じたのは、こういう一幕ものの芝居は派手な効果(照明・セット転換など)がない分、本当に役者の力量が試されるんだな、ということ。
日常的な状況で、他人から与えられた言葉(科白)のやり取りを自分の言葉として会話を成立させる難しさ。
ちょっとしたタイミング、抑揚、声量がズレるだけで全てが不自然な印象になってしまう。
実現できればすごいと思うのだが、これがなかなか……。