「屍鬼(3)」読了。

遂に奴らが牙を剥く。
 
事ここに至ってタイトルの意味が判明。
真相に気付いた静信・敏夫、夏野・かおり・昭の元に“起き上がり”達の魔の手が迫る。
絶対的に不利な状況の中、周囲の人間から徐々に切り崩されていく彼ら。
そして遂にあの人までが…。
 
ようやくホラーっぽくなってきました。
が、所謂怪談系の怖さとは種類というか質感が違う感じがします。
怪談の怖さがじっとりと湿った立ち込める霧の感触なら、この作品のそれは冬の晴れた夜に降り注ぐ蒼い月光のどこか乾いた冷たさ。
その原因は“敵”である彼らが彼ら自身であるところにあるのかも知れません。そしてその事実が彼らへの抵抗を難しくしている大きな要因になっています。
果たしてこのままやられてしまうのか…。