「ビッグ・フィッシュ」

あちらこちらにどっかで見たような人が出てきてます。
お父さんエドワード・ブルームの若い頃はユアン・マクレガー、サーカスの団長はダニー・デビート、詩人を演じるはスティーブ・ブシェミ(「レザボア・ドッグス」のMr.ピンク)、お母さんはジェシカ・ラング(「キングコング」の金髪美女)、その若い頃は…誰だ?かなり好みなんですが…。
あぁっ、アリソン・ローマンか!「マッチスティック・メン」のニコラス・ケイジの娘だ。道理で可愛いと思った。
話としては、一言で言えば「死に瀕したホラ吹き親父と息子の和解の物語」なんですが。
とにかく親父の話す物語が奇想天外というか荒唐無稽というか。けっこうむちゃくちゃなんだけど、でも憎めない。
周囲の人は親父さんの話を楽しんで聞いているのですが、息子にとってみればそれは、耳にタコが出来るほど聞かされた大ボラに過ぎず、いよいよ死が目前に迫っても変わらずそんな話を繰り返す父親に対して反感を覚えずにはいられない。
でも、映画の最後、お父さんのお葬式には、ホラ話の登場人物(にちょっと似てる人たち)がお別れを言いにくるのです。
話の内容はホラもあったかも知れない。でも親父さんがたくさんの人に愛されていた事だけは真実だったんだ、と悟る息子。
でもその直前、いよいよ危篤の親父さんに息子が語った最後の物語が、まんまその状況を表しているのです。みんなを楽しませ、みんなに愛されて死んでいく父親、その真実にどこかで気付いていたんじゃないかと思わせる一致でした。
こんな家族がいてもいいな、としんみりさせてくれた映画でした。