『Re-metropolice project 第2弾』

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江古田ストアハウス
観劇日時:2006/10/16 19:30
 
15分前後の二人芝居×7本のオムニバス。
一人の役者は、別のエピソードでも同一人物を演じる。
で、最終的に300のエピソードを演じきったとき、一つの「街」が出来上がる…という触れ込みの「メトロ・プロジェクト」の再演企画。
 
数年前に一度チラシを見かけてから、ちょっと気になっていた企画ではあった。
 
が、今回見て思った。
この企画、構造上の欠点(というと言いすぎか?)がある。。。
 
「同じ役者は別のエピソードでも同一人物を演じる」
てことは、同じ役者は2つ以上の役は演じられないわけだ。
つまり、この企画に参加している限りずーっと同じ人物同じ役。
「前回はあの役者はあの役だったけど、今回はどんな役なんだろう?」
という楽しみがハナっから否定されてしまっている。
もちろん、エピソードが違えば絡む相手も違うわけだし、シチュエーションも違うから、“その役のいろんな面”を見せることは可能。
でも“その役者のいろんな面”を見せることは難しいんじゃなかろうか。
 
…まぁ、どの役をやっても結局その役者にしか見えない、という役者はごろごろしてたりするので、一概には言えないか。
むしろ、役者と役をどんどん重ね合わせて同一化していくことで色をつけ厚みを増していく、というコンセプトなのだろうか。それならそれで分からなくはないし、アリだとは思う。
 
でもなぁ、本番観ないうちから、パンフのキャスト表見ただけである程度中身が予想できてしまうのは、やっぱりどうかと思う。。。
 
そして、二人芝居形式の縛り。
もう、最初から二人出てて、最初から最後まで出ハケもなんもなしの出ずっぱり。
もう絶対に誰かが入ってくることもないし、一人きりになることもない(モノローグはあったけど)
脚本と演技に相当魅力がないと、こんな変化に乏しい絵ヅラの舞台延々と15分見続けるのは、予想外の苦行だった。。。
 
もちろん、面白く見られたエピソードもあった。
3つめの公園でのママの会話を描いた『It's a small world』や、5つめのイラク派遣を目前に控えた自衛官とその妻のやりとりを描く『誰がために』などは飽きずに見られた。
1つめと7つめの競馬場でのエピソードも面白かったけど、
これは2つで一つの話って感じもしないでもなかったかな。
 
ある程度のエピソードをこなして、それぞれの役の背景が理解できれば楽しめると思います。それこそ、2時間一本きりの芝居では味わえない楽しみを。
でもそれって、内輪ウケっぽい。。。
 
って、今当日パンフを読み返してみたら、本編「メトロ」と違ってこの再演版「リ・メトロ」では、同じ役者がずっと同じ役を演じるとは限らないって書いてある(^^;
そうだよね、やっぱり。
…でもそれって、本編の欠点を暗に認めた事にならないか…?(苦笑)