『Unlimited Gate』

風凛華斬SINプロデュース風真
作・演出・出演:SIN(真)
出演:今井豊、高田英二、飛鷹勇太郎(風)、河野誉生(真)、奥秋美和、鶴岡洋志、太郎丸そはら(風)、堀野耕一郎(真)、佐藤忍(風)、手塚葉揺(真)、マリコ(風)、ずて(真)、田口善央(風)、minato、小住典子、堀口愛美(風)、日暮はる奈(真)、三宅まつり、土方カズキ、難波友佳理(風)、狩野新平(真)、島田友樹
於:中野ウェストエンドスタジオ
観劇日時:2006/09/17 18:00(真組)
 
 
記憶を喰らい、引き換えに願いを叶える力を持つ、齢一千年を重ねる魔物、朧。
朧を恋人の仇として追い続ける男と、それに手を貸す結界師の一族。
魔物と見るや問答無用で消しにかかる退魔師の一族。
人工的に創り出された存在、半人半魔の少年。
新たな半人半魔の素材として朧を付けねらう組織と、その組織に雇われたエージェント。
 
 
結界術やら鎌鼬やら銃弾やら剣戟やらかぎ爪やら狂科学やら拳やら…が所狭しと飛び回る伝奇アクションの王道、の焼き直し。
個人的にはとてもそそられる世界観だったのだが、その分突っ込みどころ満載。
 
一言で言えば、いろんなところが中途半端。
 
脚本、というか世界設定。
オカルトにしてもマッドサイエンスにしても、現実にありそうもない事をリアルな存在にするためには、こじつけだろうがなんだろうがどれだけ細部まで作りこめるかという部分にかかっていると思うわけで。
例えば、「普通の物理攻撃は効かない魔物にどうしてその銃弾は有効なの?→特殊弾だから」と一言で済まされてしまうと、なんだかものすごく肩透かしをくった気分になってしまう。
「聖別してある」だの「硝酸銀が混ぜ込んである」だの「かのヘルシング教授の手によって作られた」だの、何かしらワンクッションがあればもうちょっと受ける印象も違ってきたものを。
まぁ、説明しすぎてくどくなってしまうのも、それはそれで考え物なわけだが。
 
殺陣、というか動き。
冒頭のオープニングダンス、というかパフォーマンス。
その時間で観客を引き込めるならいいけど、力及ばなければ冒頭から客を引かせてしまいかねない。
今回はまずもって単純に長かった。一曲フルコーラス丸々って。内容云々の前にまずその長さで飽きてしまった。
殺陣自体は門外漢なのであまり突っ込んだことは言えないが、後半の山場に差し掛かるところで明らかに何人かの動きに疲れが見えてしまったのが残念。そこをこそ頑張って欲しかった。
 
セット、というか舞台の仕掛け。
とある能力を表現するための仕掛けが用意されてたわけだが、あからさま過ぎてモロバレ。
せめて最初の瞬間までは隠し通す工夫が欲しかった。
というか、それ以前に役者が出ハケするたびにパネルがグラグラ揺れるのはどうにかならなかったものか。いつ倒れるかと気が気でなかった。
 
演技、というか役作り。
先の世界観の浅さにも起因するとは思うが、それぞれのバックボーンが感じられない人多数。
せっかく「1000年の間、人の中で人の記憶を糧に生きてきた魔物」だの「古来より魔物を相手に渡り合ってきた一族の末裔」だの「自らの理論の正しさを証明するために世界を犠牲にすることも厭わない狂科学者」だの、作りこめる材料はごろごろしてるのにそれを活かしきれてない。
特に悪役役者(笑)の自分としては、敵役の面々の演技が気になった。どうしても自分ならこういう風にやるのにな、と思いながら見てしまう。純粋に楽しめないのは、自分も役者やってる弊害なのかも知れない。
 
あと、一つ質問。
この芝居ってどうしてこのタイトルだったんでしょう?

[稽古日記]初稽古!

というわけで、今日から稽古が始まりました。

初日は公演についての制作サイドからの説明と読み合わせ。
まだまだほんの一部しか台本ありませんでしたが、これはかなり、いや相当面白い予感…!

これからの2ヶ月、楽しみです!